前回は継続カウンセリングの基本的な内容についてまとめさせていただきました。
今回は毎週カウンセリングではない、隔週や月一回などの頻度を希望した際の注意点に記載します。
最初は頻度を詰めて、途中からは自分のペースで
セラピストとクライエントの相互理解
最初は頻度を詰めた方が良いです。カウンセラーはクライエント(相談者)のことを十分に理解しておらず、クライエントもカウンセリングのことを十分に理解していないことが多いからです。カウンセラーが主訴を詳細に理解することで、クライエント自身も自己理解が進むこととなります。また、カウンセラーとクライエントはお互いの理解の枠組みを理解する必要があります。日常生活でも、Aさんにはこの説明の仕方が、Bさんには別の説明の仕方が適しているといったように、自然と修正することだと思います。

カウンセリングの進め方に慣れる
最初は頻度を詰めることで修正がしやすくなります。特に認知行動療法など技術獲得を目指すカウンセリングでは宿題を出します。「〇〇を毎日やってみてください。」「~ということを1日3回やりましょう。」「〇〇について考えてみてください。」「~ということについてデータを取ってきてください」などです。このとき、もし間違って実践していた場合、毎週来ていればすぐに修正できますが、月1回の頻度だと1カ月間間違った練習やデータ収集を続けることになります。したがって、最初はできるだけ頻度を詰めて面接を受けることが望ましいでしょう。私はクライエントの状況が許せば「最初の5~10回は頻度を詰めて進めてみませんか?」と提案することがあります。

一定の頻度を保つ
頻度を決めないと、調子が悪いとき(困っているとき)には頻度が多くなり、調子が良いとき(困っていないとき)には頻度が少なくなるという状況が生じます。このような状況では、調子が悪いときにそのことだけに集中し、短期的な目標で物事が進みがちです。調子が良いときにも面接を受けることで、良い状況をどう継続させるか、調子が悪くなったときの対策、調子が悪くなる前兆などを長期的な目標で考えやすくなります。
また、カウンセリングの基本は『カウンセラーがクライエントを理解する』ことです。調子が良いときも悪いときも、全ての情報を得ることは非常に貴重です。
調子が悪くなったら早めにカウンセリンラーと共有する
継続カウンセリング①の「調子が悪いとき」にも該当しますが、良くなるために必要なことであっても、想像以上に負担が大きく「ギブアップ!」と言いたくなるときもあります。このような場合、起こっていることがカウンセラーやクライエントの想定内であったとしても、現時点では不適切と考えることもあります。 時には明確に「今は控えてほしい」と事前に伝えておくことも必要です。もし事後になっても想定以上の反応が出てつらいときは、カウンセリングを落ち着く方向に調整する必要がありますので、お伝えください。
次回は継続カウンセリングの応用編として例外的対応についてピックアップします。
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